最後の確定申告

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本日の埼玉新聞に、中学生による税金についての作文で賞をとった子の文章が載っていました。

その中で、「埼玉県議会議長賞」をとった立教新座中学校2年生の川口裕太郎くんの作文があまりにも私の心を捉えたので、ぜひ紹介したいです。

 

彼のお爺ちゃんは、まだ彼が幼稚園の頃に脳梗塞で倒れ、それからはずっと車いす生活で、去年の年末に亡くなった。
春休みに田舎に行くと、お婆ちゃんがお爺ちゃんの確定申告書を書いていた。

お爺ちゃんは元気な頃は会社を経営していて、税務署からの感謝状を並べるのが自慢だったらしい。

「『結局税金のお世話になっちゃったね』とお婆ちゃんが呟くと、『まだまだ現役の納税者だよ』と言って毎年申告を欠かさなかった。」

「申告書を見ると障害者控除や『おむつ証明書』を添付した医療費控除が目に入り、僕達には見せなかった闘病生活の苦悩が今痛々しく伝わってくる。」

「お爺ちゃんの書斎にぽつんと残された杖と車椅子。」
書棚にあったアルバムを家族みんなで開いてみると、いろいろな写真の中で「何時もお爺ちゃんは車椅子に座り、僕たち兄弟を抱いている。
『病気になっても笑顔でいれたのは、社会保障や補助金のお陰だね』と言って、お婆ちゃんは申告書にお爺ちゃんの印鑑を押した。」

「『自分が元気で活躍出来る時に人の役に立ちたい。見返りを期待せず、何処かで人が笑顔になれば俺は満足だ。』
僕は申告書を見て、お爺ちゃんは本気だったんだと悟った。
お爺ちゃんが病気でも笑顔だったのは誰かが納めた税金のお陰だ。だからきっとお爺ちゃんの税金も誰かの笑顔となり、その家族の楽しい思い出となったに違いない。
納税は見返りを期待する物ではなく、誰かの笑顔になると信じる事にこそ真の価値がある。
最後の確定申告書は、お爺ちゃんの生きた証であり、僕達へのメッセージだ。」

 

「 」内は抜粋、他は私が勝手ながら内容をまとめさせていただきました。

風景が容易に思い浮かび、涙を誘う文章である上に、確定申告の意味どころか確定申告が何なのかさえよくわかっていない私にもどういうものなのかがわかる文章である。

そして更に、あらん限りの漢字を使用している。
「爺」とか「婆」とか「お陰」とか「何処か」とか「何時も」とか。

とても中学2年生の文章とは思えません。
朝からほんのり感動させていただきました。

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Profile

熊倉美咲
熊倉 美咲 (くまくら みさき)
所属:
一般社団法人TMG本部
生年月日:1983年3月29日
血液型:A型
出身地:埼玉県桶川市
出身校:早稲田大学卒
信念:
諦めたらそこで終わり。
今、その時の自分の最大限の力で頑張り続ければ、きっといつか必ずうまく行く時が来る。